本日、Amazon Echo Dot第3世代が発売された。しばらくアマゾン社は第3世代と第2世代が併売されるようです。これからEcho Dotを購入しようと考えている人や既に第2世代を持っていて買い替えを検討しているユーザは、この2種類のモデルの違いのポイントはどこかと考えていると思われます。今回はAmazon Echo Dotの第3世代と第2世代の違いに関して確認しまいたので、その報告いたします。
2025年に大きな2つのトピック「生成AIを活用したAlexa+」「クラウド依存によるプライバシーへの影響」がありましたのでこの2点に関して追記してみました。
比較
Echo Dotの外観
まずは大きく変わったEcho Dotの外観から報告します。第3世代はファブリック調の丸みを持たせた柔らかなデザインに変わりました。今まで以上にインテリアに馴染みそうです。スピーカーの再生能力が向上するためスピーカーユニットのサイズが0.6インチから1.6インチにサイズを大きくなりました。スピーカーの構造上こだわりを詰めた影響か大きさ、大きさ、厚み、重量が一回り大きくなっています。大きさはGoogle Home Miniとほとんど同じサイズになり、重量は1.8倍になりました。
また、AC電源もUSBケーブルに電源コネクタをつけたものから専用電源アダプタになり、電源アダプタの対応ワット数も9Wから15Wに変更されています。
スピーカーの再生能力
スピーカーユニットのサイズが0.6インチから1.6インチにサイズを大きくなり、その影響で音圧が70%向上しているといわれています。同一音源を音量レベル7で再生してみましたが、低音に厚みが出て、音声も聞き取りやすくなった印象を持ちました。今回の音源はパブリックドメインの「Take Five(Dave Brubeck Quartet)1959年」を冒頭を再生。この曲はピアノ、アルトサックス、ベース、ドラムでメロディを構成していますが、音圧の違いはもちろんのこと、ピアノ、ベースやドラムのスピーカーからの再生能力に大きな違いを感じました。
セットアップ方法
セットアップ方法も変更がありました。第2世代ではWi-Fiのみを利用しEcho Dotと通信を行いながらインターネットに接続していました。これが意外とスマートフォン内のアプリや設定の切り替えの必要があり戸惑うポイントでした。第3世代ではこの方法に加えてBluetoottを利用する方法が追加されセットアップが行いやすくなっています。
第2世代
第3世代
Echo Dotシリーズ比較
第3世代 | 第2世代 | |
特徴 | コンパクトサイズ | コンパクトサイズ |
スピーカーサイズ | 1.6インチ | 0.6インチ |
Dolby デュアルスピーカー | – | – |
外部スピーカー接続 | ○ | ○ |
音楽ストリーミング対応 | ○ | ○ |
スマート家電の操作 | ○ | ○ |
お持ちのリモコン家電の操作 ※別売 赤外線コントローラー必要 |
○ | ○ |
スマート家電の簡単セットアップ | – | – |
音声・ビデオ通話 | 音声通話 | 音声通話 |
プライム会員のみ音声ショッピング | ○ | ○ |
プライム会員のみPrime Music | ○ | ○ |
サイズ | 43 x 99 x 99 mm | 32 x 84 x 84 mm |
重量 | 300g | 163g |
電源アダプタ | 15W | 9W |
比較してみた感想ですが、はじめてEcho Dotを買い求めたり、Echo Dotをメインに、少しでも音の再生にこだわりを持つひとには第3世代。アレクサへの音声の入力デバイスとして、賃貸のアパートなど再生音量を上げられない人には第2世代がお勧めと感じました。
第3世代でのAlexa+非対応の可能性
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ハードウェアの制約: Alexa+はAmazon Bedrockの大規模言語モデル(LLM)を活用し、高度な処理能力を必要とします。第3世代(2018年発売)はプロセッサやメモリが第5世代(2023年発売)に比べて限定的で、AI機能のフル実装が難しい可能性があります(The Verge)。
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公式発表の状況: AmazonはAlexa+の早期アクセス対象としてEcho Show 8, 10, 15, 21を優先し、Echo Dotでは第5世代が対応リストに含まれています。しかし、第3世代については明示的な言及がなく、第1〜2世代が非対応とされる傾向から、非対応の可能性が高いと推測されます(Amazon Official、TechRadar)。
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影響する機能: Alexa+が提供する自然な会話、個人化(例:レシピ記憶)、スマートホームの高度制御は、第3世代では利用できないか制限される可能性があります。たとえば、「いつものプレイリストを再生して」といったパーソナライズ機能が動作しないかもしれません(ZDNET)。
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第3世代は依然として基本的なAlexa機能(音楽再生、天気予報など)を提供しますが、Alexa+の利点(月額19.99ドル、Prime会員無料)を享受できない場合、新しいデバイスへのアップグレードを検討する必要が出てきます。
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非対応でも第3世代の基本性能は維持されるので、引き続きシンプルな用途で使うのも賢明です。
Alexa+非対応の可能性は高いものの、第3世代はコストパフォーマンスに優れたデバイスとして価値を保ちます。最新機能が必要ならアップグレードを、そうでなければ現状維持も悪くありません。
プライバシー対策の最新情報
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以前は第3世代でも一部コマンドがローカル処理可能でしたが、2025年3月28日以降、すべての音声録音がAmazonのクラウドに送信されます。これはAlexa+のAI強化に伴うもので、利用率0.03%未満の機能の終了です(Forbes)。
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データ送信の増加: 第3世代で「照明を消して」や「天気を教えて」と言えば、その録音がクラウドに送信されます。日常的な使用でもデータ共有が増える点に注意が必要です。
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プライバシー懸念: CNETの調査では、73%のユーザーがAIアシスタントのプライバシーを懸念しており、特に子供の声が録音される家庭ではリスクが高まります。Amazonは2023年に子供のプライバシー違反で2500万ドルの罰金を支払った過去もあります(CNET Survey、NYT)。
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物理的対策: 第3世代のマイクミュートボタンを使い、使用しないときはオフに。子供がいる家庭では特に有効です。
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使用制限: 敏感な情報(例:買い物リスト)を声で伝えるのを控え、アプリ経由で操作するのも一案。
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代替案: プライバシーを優先するならApple HomePodを検討。第3世代は基本用途に留めるのも賢明です。
第3世代はクラウド依存によりプライバシー面での注意が必要になりましたが、対策を講じれば安心して使えます。